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【2026年10月号】ちょっと未来のニュース~制度改正
、予定イベント&統計情報

2026.09.28

 少しだけ未来を見る、経営者のための月次ニュースレターです。2026年10月、経営者が押さえておきたい法令・イベント・統計・政策の動きなどを紹介します。

1 制度改正編

 10月に予定されている制度改正のうち、中小企業経営者が特に注意すべき3件を紹介します。

1)地域別最低賃金の改定(2026年10月1日~)

 各都道府県で改定された新しい地域別最低賃金が、関係労使からの異議申出手続きなどを経た上で、10月1日から12月2日にかけて順次適用されます。

 地域別最低賃金の全国加重平均額は昨年度から56円増の1177円に達します。パート・アルバイトの時給だけでなく、日給や月給(基本給)換算の金額が下回っていないかの最終確認も必要です。

→ 経営者のTo Do

  • 10月分の給与計算(11月支給分など)から新単価が正しく反映されるよう、社内の労務担当者や委託先の税理士・社労士へ最終確認の指示を出す。

■厚生労働省「最低賃金に関する特設サイト」■
https://saiteichingin.mhlw.go.jp/

2)パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関するルール改正(2026年10月1日~)

 同じ会社で働く正社員と、パートタイム・有期雇用労働者との間にある不合理な待遇差の解消を目指す「同一労働同一賃金」をさらに進めるため、パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関するルール改正が行われます。

 パートタイム・有期雇用労働者の雇い入れ時や契約更新時には、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4つの事項に加えて「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨を書面で明示することが義務化されます。

 また、「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直し、企業に求められる雇用管理上の措置の追加なども行われます。

→ 経営者のTo Do

  • 自社の雇用契約書や労働条件通知書のひな型が最新の法改正(待遇相違の説明義務に関する文言追加)に対応しているか確認し、2026年10月1日以降は新様式を使用する。
  • 「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直し内容を理解し、賞与、退職手当、各種手当、福利厚生について確認する。

■厚生労働省「2026年10月からパートタイム・有期雇用のルールが変わります―3つの改正ポイント」■
https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/column/20260803.html

■厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudoukijunkankei.html

3)カスタマーハラスメント(カスハラ)防止措置の義務化(2026年10月1日~)

 改正労働施策総合推進法の施行により、企業規模を問わずすべての事業主にカスハラ防止措置が義務化されます。顧客からの理不尽なクレーム、暴言、過剰な要求から従業員を守るための体制構築が求められます。

→ 経営者のTo Do

  • 「会社としてカスハラを許さない」という方針の社内周知、万が一の際の「相談窓口」の設置、現場向けの簡易な対応マニュアルの作成を速やかに進める。

■厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html

2 イベント編

1)CEATEC(シーテック)2026

 10月13日(火)~16日(金)まで、幕張メッセ(千葉県)で開催される国内最大級のデジタルイノベーションの総合展示会です(後述する「Japan Mobility Show Bizweek 2026」と同時開催)。

 今回のメインテーマは「Transformation – 企業が、産業が、そして社会が変わる -」です。従来の最先端技術の披露にとどまらず、それらの技術がいかに社会へ実装され、どのように変革(トランスフォーメーション)をもたらすかという「体験と対話」「共創」に重きを置いた内容が予定されています。

■CEATEC 2026■
https://www.ceatec.com/ja/

2)Japan Mobility Show Bizweek 2026

 10月13日(火)~16日(金)まで、幕張メッセ(千葉県)で開催される、「人」や「モノ」の移動だけでなく、社会を動かす様々な挑戦や取り組みを創出する総合展示会です(前述した「CEATEC2026」と併催)。

 今回のスローガンは「あなたが動けば、世界が動く。」です。事業会社やスタートアップ企業によるブース出展をはじめ、日本自動車工業会会員企業合同の車両展示や、アクセラレーションプログラム、トークステージ「未来モビリティ会議」などの企画が予定されています。

■Japan Mobility Show Bizweek 2026公式ウェブサイト■
https://www.japan-mobility-show.com/

3)Japan IT Week 秋 2026

 10月21日(水)~10月23日(金)まで、幕張メッセ(千葉県)で開催される、日本最大のシステム開発・運用・保守に関する総合展示会です。

 ソフトウェア受託開発・開発支援、IoT、組込み・エッジコンピューティングなどの製品・サービスを有する企業が一堂に集結し、ビジネスマッチングが行われます。また、「システム開発」「サイバーセキュリティ」などの無料カンファレンス、出展社によるセミナーなどを通して、最新情報やトレンドを収集できます。

■Japan IT Week 秋 2026■
https://www.japan-it.jp/hub/ja-jp.html

3 統計・政策情報編

 2026年10月は、日本銀行の「短観(全国企業短期経済観測調査)」の9月調査結果や「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」のほか、東京商工リサーチや帝国データバンクから2026年度上半期(4月~9月期)の企業倒産状況などが公表される予定です。本章で取り上げる統計・政策文書の一覧を示します。

1)短観(全国企業短期経済観測調査)

 「短観」は、日本銀行が四半期ごとに実施する、日本の景気動向を把握するための統計調査です。全国の約1万社の大企業から中小企業を対象に、業況、売上、設備投資計画、雇用などの現状と先行きをアンケート調査します。中でも、企業の景気実感を数値化した「業況判断DI」は景気のバロメーターとして重視され、日銀の金融政策決定や、世界中の市場関係者の投資判断に大きな影響を与えます。

■日本銀行「短観」■
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm

2)2026年度上半期の企業倒産

 民間信用調査会社である東京商工リサーチや帝国データバンクは、毎年10月に、その年度の上半期の企業倒産について取りまとめて公表しています。「3月決算企業」の動きが色濃く反映されるため、官公庁、金融機関、そして一般企業にとって今後の日本経済やビジネスの行方を占う指標の1つとなっています。

■東京商工リサーチ「全国企業倒産状況」■
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/

■帝国データバンク「倒産情報」■
https://www.tdb.co.jp/report/bankruptcy/?year=2026

3)経済・物価情勢の展望(展望レポート)

 日本銀行は、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の政策委員会・金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を決定し、公表しています。

■日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」■
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/index.htm

4 話題のタネ

 訪問時の雑談のきっかけに。10月ならではのトピックを集めました。

1)国税当局 vs 大手ビールメーカーの戦いに終止符。ビール類の税率が完全一本化

 日本の酒税法は、ビールの主原料である「麦芽の比率」などによって細かく税率が変わる仕組みになっていました。大手ビールメーカーは「少しでも安く消費者に商品を届けたい」という一心で技術革新を重ね、「発泡酒」や「新ジャンル(第3のビール)」を開発。国はそのたびに法改正で網をかけてきました。

 この国税当局 vs 大手ビールメーカーの戦いに終止符が打たれます。10月1日に酒税法が改正され、長年続いていたビール類の税率格差がなくなり、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第3のビール)」の区分にかかわらず、1キロリットル当たり15万5000円(350ミリリットル換算54.25円)の税率に統合されます。

 大手ビールメーカー各社は、主力ブランドを中心に「発泡酒」や「第3のビール」を「ビール」として生まれ変わらせる戦略に舵を切っています。「どうせ数十円の差なら、今夜は本物のビールにしようか」という消費行動の変化が予測されています。

■財務省「酒税に関する資料」■
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d08.htm

2)ノーベル賞は、なぜ10月に発表される?

 ノーベル賞が毎年10月に発表される明確な「公式の理由」は公表されていません。しかし、賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日である12月10日に授賞式を行うという慣例から、「12月10日の授賞式に向け、1年がかりの選考が10月にようやく最終決定を迎えるため」というのが合理的な理由とされています。

 ノーベル賞は情報の秘匿性を極めて重視しており、選考過程は50年間非公開とされています。もし10月に受賞者を内定させ、12月の授賞式まで発表を伏せておこうとすると、外部への情報漏洩(リーク)のリスクが非常に高くなります。そのため、選考委員会が最終決定を下した直後(10月)に、メディアや本人へ即座に公表する形式がとられています。

 足元では、2026年9月に、筑波大学の柳沢正史教授が、睡眠と覚醒を制御する神経伝達物質「オレキシン」の発見などの業績で、米国で最も権威ある医学賞「ラスカー賞」の基礎医学研究賞を受賞し、ノーベル医学・生理学賞の有力候補として国内外から注目されています。ラスカー賞は「ノーベル賞の登竜門」として世界的に知られており、過去の受賞者の3~4人に1人がのちにノーベル賞を受賞しています(iPS細胞の山中伸弥教授などもこのルートをたどりました)。

■ノーベル財団■
https://www.nobelprize.org/

以上(2026年9月作成)

執筆者

日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。