リーダーシップ
指示は“伝えた側”と“受け取った側”、両方の責任で完成
する/朝礼訓話
2026.09.28
【ポイント】
- 指示のズレは、伝える側と受け取る側、双方の思い込みが重なって起きている
- 上司は結論だけでなく背景まで伝え、部下は理解を言葉にして確認する
- 指示を出したら、「一言で言うとどういう理解か」を復唱してもらうことを習慣にする
おはようございます。皆さんは、自分が出した指示が、思っていたのと違う形で実行されていて驚いた経験はありませんか。あるいは逆に、上司から指示を受けたはずなのに、後になって「そういう意味じゃなかったんだけど」と言われてしまった経験はないでしょうか。こうした指示のズレは、決してどちらか一方だけの責任ではありません。実は、伝える側と受け取る側、双方の思い込みが重なって起きていることがほとんどです。
まず、指示を出す上司の側にありがちなのが、「一度言えば伝わるはず」という思い込みです。上司の頭の中には、その指示の背景や目的、これまでの経緯がインプットされていますが、部下は必ずしもそうではありません。結論だけを伝えても、部下からすれば「何のためにこれをやるのか」が分からないまま作業を始めることになり、途中で解釈がズレていってしまいます。
一方、指示を受け取る部下の側にも思い込みがあります。それは「分かったつもり」で確認をしないことです。指示を聞いた瞬間は理解できた気がしていても、実際に手を動かし始めると、「あれ、これで合っているのかな」という疑問が出てくるものです。それなのに、「今さら聞き返すのは気が引ける」「これくらい自分で判断すればいいか」と、確認を後回しにしてしまう。この小さな遠慮が、後々の大きなズレにつながっていきます。
2つ目は、「日ごろの信頼関係が、いざという時の味方を決める」ということです。三成がどれほど有能でも、周囲の信頼を得られていなければ、肝心な場面で人は動いてくれません。普段からの誠実な対応や小さな気配りが、結果的に自分を助けてくれるのです。
つまり、指示というのは、伝えた瞬間に完成するものではありません。伝えた側が背景まで語り、受け取った側がそれを自分の言葉で確認して、初めて一つの指示として成立するのです。そこで、皆さんに提案です。上司の皆さんは、指示を出したら、その場で「一言で言うと、何をどうしてほしいか言ってみて」と、部下に復唱してもらってください。単純なやり取りですが、認識のズレはその場でほぼ解消できますし、部下にとっても「分かったつもり」を防ぐ良い確認の機会になります。
指示の精度は、伝える技術だけでは上がりません。受け取る側が理解を言葉にする勇気を持ち、伝える側がそれを歓迎する。この両輪があって、初めて仕事はスムーズに回っていきます。指示のやり取りを「投げっぱなし」にしないよう、意識していきましょう。
以上