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半導体、京都の企業が放つ存在感…材料・設備35%超を域
内調達
2026.05.22
京都の半導体産業はロームをはじめ大手企業が名を連ねる中、中小企業も存在感を示している。京都府と京都市が府内の半導体関連企業の現状を把握するために調査した結果、半導体の加工領域に携わる企業が全体の90%に上った。また、材料や設備の調達では35%超を府内で完結しており、一定のサプライチェーン(供給網)を持つことが明らかになった。一方、人材の確保に課題があることも分かった。半導体産業の振興に向けて京都ならではのエコシステム(生態系)をいかに構築するかがカギを握る。(京都・阿部未沙子)
京都の半導体関連企業の採用状況
調査は京都府・市などが参加する「AI時代に向けた京都ものづくり産業の成長戦略実行委員会」が実施した。府内で半導体に関連する企業610社や8大学を対象に調査し、119企業と5大学から回答を得た。このうち、36社には聞き取り調査も行った。
京都府の半導体関連産業の構造
調査結果を「京都府内半導体関連企業マップ」としてまとめた。半導体関連企業の現状や課題を把握する調査や、企業の全体像をつかむマップの作成は今回が初めて。京都府からは商工労働観光部産業振興課が調査やマップの作成に関与。「半導体振興をより効果的に行うために実施した」(京都府担当者)と狙いを語る。
今回の調査によれば、製造装置や精密加工をはじめとした加工領域に属する企業の割合が最大だった。材料メーカーを含む素材領域が31%、製品として半導体を取り扱う企業が28%と続いた。
さらに府内に確立された供給網があることも判明した。具体的には、海外と府外そして府内を合わせた全体の内、府内での材料調達は37%で設備や装置の調達は35%だった。京都府の西脇隆俊知事は「半導体関連産業に部品を供給する中小企業はかなり素晴らしい技術を持っている」と府内企業による供給網の集積に胸を張る。
ただ、人材確保には課題が残る。回答企業のうち45%が人材確保不足との認識を示した。行政に求めることとしても、企業の47%が人材確保や人材育成支援を挙げた。
近年、熊本県や北海道に半導体関連企業が集積しつつある。これら地域は官民連携を深めつつ、人材確保にも積極的だ。中小から大手までが根付く、京都という地の利を生かした戦略の策定が求められる。
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パソコンやスマートフォン、自動車など現代社会のあらゆる電子機器に欠かせない「半導体」。安全保障上の戦略物資とされ、産業をめぐる国際競争は激しさを増す。その主たるプレイヤーである台湾積体電路製造(TSMC)やラピダス、キオクシアなどの動きや最先端の研究開発の動向を追う。
日刊工業新聞 2026年4月24日
出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社