会社経営
人生 100 年時代の働く選択肢(前編)~今の会社は好
きですか~/人生100年時代を生き抜く力(14)
2020.06.02
1 終身雇用制、年功序列、新卒一括採用は、終わりの始まりか!?
「武田斉紀の『人生100年時代を生き抜く力』」と題してお話ししてきたこのシリーズも終盤です。
この辺で人生100年時代の“働き方”について整理しておきましょう。第14回はその前編として、これからの会社と社員の関係について考えてみたいと思います。
転職を経験したことのある方は、今の会社あるいは以前にお勤めの会社との関係でイメージしてみてください。また社員ではないという方も、会社勤めの場合と現状を比較しながら読んでいただければ意外な共通点が見つかるでしょう。
日本において、「会社=雇う側」と「社員=雇われる側(従業員)」の関係が大きく変化しようとしています。
如実に表れていたのがシリーズ第3回でも触れた、日本経済団体連合会(以下「経団連」)の中西宏明会長とトヨタ自動車の豊田章男社長の発言でした。
中西会長は2019年5月の定例会見で、「終身雇用は制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることは限界になっている」と指摘しました。その前年9月の会見でも「終身雇用、新卒一括採用をはじめとするこれまでのやり方では成り立たなくなっている」とし、経団連は2019年10月に就活ルール廃止を発表します(その後の政府方針で、現時点では2022年春入社までは現行ルールを維持することに)。
トヨタの豊田社長も2019年5月に「インセンティブがもう少しないと、終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べ、中西会長の発言と併せてニュースに取り上げられました。少し前なら労働界の反発が怖くて口にできなかったことでしょう。流れはすでにあったのです。
百家争鳴、さまざまな意見が飛び交っているようですが、私は豊田社長の「インセンティブがもう少しないと」の一言が気になりました。これは裏を返せば以前は「十分あった」から終身雇用制を維持する価値があったが、「あまりなくなった」ので見直したいと言いたいのでしょう。終身雇用制を全否定しているわけでもなさそうです。
「終身雇用制は悪であり、完全に廃止したい」と思っている経営者は日本ではまだ少ないでしょう。終身雇用制のメリットも分かっているからです。
例えば長期的に人材育成できる、帰属意識が高まって貢献意欲が湧く、互いをよく知りチーム力が高まる、結果的に業績向上にもつながるはずだと。
けれども「人生100年時代」で働く期間が長くなり、「変化の時代」から組織の柔軟性を強く求められる中で、終身雇用制を完全な形で維持するインセンティブ(メリット)が釣り合わなくなってきた、だから見直したいと言いたいのでしょう。
2 会社が求めているのは、社員との1対1の対等な契約?
多くのプロスポーツ選手の契約は、「年俸〇〇円で、〇年契約」という形を取っています。体力勝負の世界とはいえ、契約期間は普通1年、よくて数年単位です。相手は人間ですから、1年先にはパフォーマンスが落ちているかもしれないし、まして数年先はどうなっているか分からないからです。
翻って一般企業の社員はどうでしょう。
年俸(給与)については選ばれしスポーツ選手には及ばないにしても、契約期間のほうは「定年までずっと」=終身雇用制ということです。会社の将来、本人の将来も見通せない中では、会社側にとってかなりリスクの高い、重い契約条件といえるのです。
雇う側にとっての終身雇用の重さは、一度雇う側に回ってみるとすぐに分かります。私も起業後に初めて正社員を雇うことになった際、相当ドキドキしたのを覚えています。「自分はこの人の人生を背負えるのだろうか」と。雇われる側も経験したので言いますが、雇われる本人が会社に自分の人生を背負ってくれとまで期待しているかどうかはそれぞれでしょうけれど。
「定年までずっと」の期間は、かつての55歳から「人生100年時代」を迎えて、65歳からもうすぐ70歳になろうとしています。契約期間でいえば大卒で33年から43年あるいは50年近くにまで延びようとしているわけです。「変化の時代」の要請とは逆行しています。
変化については、新型コロナウイルスのまん延で突然機能停止を強いられた会社が多いことで、痛いほど分かったに違いありません。予期せぬことが次々と起こりうる時代です。会社としても雇用は守りたいが、会社自体が死んでしまったら雇用はゼロ。少しでも雇用を守るには、全員一律の終身雇用制はもう約束できないというわけです。
では一体どのように見直したいのか。「会社の目指す目標に向かって貢献してくれる人ならずっといてほしいし、会社として終身雇用を約束してもいい」「でもそうでない人には会社として終身雇用は約束できない、貢献してくれている人に対してもフェアじゃない」と。
終身雇用は続けてもいいが、絶対で全員一律の制度ではなく、“人による”としたいのでしょう。“人による”とは、最後はプロスポーツ選手と同じように、“一人ひとりの能力や実績、将来性を判断して1対1で契約条件を決めましょう”ということです。
もっと言えば、会社は社員に対してGIVE and TAKEの“対等な関係”を求めつつあるのではないでしょうか。会社に終身雇用という保障(TAKE)を求めるなら、それに見合った働き(GIVE)をしてくれよということだと思います。
3 一人ひとりが選び、選ばれる時代がやってくる
「プロスポーツ選手ならプロの代理人もいるから、“対等な関係”で条件交渉もできるかもしれないけれど、そこまでの能力や実績、将来性に自信のない人はどうすればいいの?」と聞かれそうです。
そこは自身の能力や実績、将来性を会社にしっかりとプレゼンテーションした上で、条件に納得がいかなければ他を探せばいいのです。
会社側に選ぶ権利があるのと同様に、勤める側にも選ぶ権利はあるのですから。自分を正しく評価してくれる会社を探しましょう。
もはや新卒で入社して定年まで勤めあげるのが常識で、道をそれたら世間から後ろ指を指されたり、不利になったりする時代ではありません。今の自分にとって何がベストかを考え、会社や仕事を選択するのは自由なのです。となれば新卒での就職活動でも、転職を検討する際にも、業界にこだわらずに幅広い可能性を探ったほうがよいでしょう。
本人がどれくらい選ぶかにもよりますが、他に選択肢が全くないという方は少ないのではないでしょうか。35歳限界説は過去の話、探せば50代、60代でも新たな選択肢が見つかる世の中になっています。
「いやいや、そもそも選ばれるかどうか自信がないのだが」という方には、残念ながら21世紀に未来は見通せません。
会社から一方的に選ばれる立場となり、「変化の時代」に逆風が吹けば途端に選ばれなくなってしまいます。AIやロボットも、ベンチ横でウオーミングアップしながら「われわれのほうが能力は高いよ、いつでも交代するよ」と、スタンバっているのですから。
50歳代以上の読者にしか分からないでしょうが、高度成長期にタレントの植木等さんが「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌っていたのは今や昔、滅私奉公していれば毎月決まった給料がもらえた時代は終わったのです。
新型コロナウイルス禍では一気にテレ(リモート)ワークやオンライン会議が進み、これまで出社はしていたけれどパソコンさえ使えない、会議に出ていたけれど発言していなかった“働かない”おじさんがあぶり出されました。若手社員からすればビジネスレベルでパソコンやスマホが使いこなせないのは、名刺交換がろくにできない、敬語がまともに話せないのと同じです。
かくいう私もおじさん以上の世代ですが、30年以上前のパソコンが登場した当初に、「某幼稚園では園児がパソコンでお絵描きを始めた」というニュースを聞いて驚愕(きょうがく)しました。「今に子どもにさえ勝てなくなる、やばい!」とお店に走って、発売されたばかりの東芝製ダイナブック1号機を、大枚はたいて購入したのを覚えています。
「だってパソコンは苦手だし、スマホもよく分からない」とか「だって会社の研修がないし、教えてくれないからできない」「秘書がやってくれるからいいじゃないか」などと言い訳をしている人は、確実に置いていかれます。
終身雇用制、年功序列、新卒一括採用の終わりとは、会社と個人一人ひとりが選び、選ばれる時代の始まりでもあるのです。
多くの会社に選ばれ、自らも選べる資格を得るためには、自分自身の価値=能力や実績、将来性を常に意識して高めていかなければなりません。独立起業やフリーランスにとってはもちろん、会社員にも組織に頼ることなく同じように求められる時代になったのです。
4 “対等な関係”は、入り口である採用段階から始まる
選び、選ばれる関係を、採用段階から働く側に求めている企業も増えています。会社側が応募者を一方的に選ぶのではなく、応募者側にも“対等な関係”で会社を選んでください、というわけです。
30年以上も前に私がリクルート社で人事部のリクルーターを務めていた頃、同社はすでにそうした採用スタイルでした。面接でこちらから一方的に応募者に質問したりしません。まず会社をよく知ってもらうことから始めます。
面接というよりも面談といったほうが近いでしょうか。お会いするたびに、「前回の説明で疑問点や質問はありませんか?」という投げかけから始まります。あればまずそれに答えます。しかし相手の質問に答えながら、例えば「〇〇さんはどうしてその点が気になったのですか?」とか「それについて何かエピソードがあるのですか?」と質問すると、その人となりがよく見えてきます。
同社はまだそれほど知られた会社ではありませんでしたので、こちらが振り向いてほしい人材だと思ったら最初は魅力的な話から入りました。新卒採用の場合も順番としては良い面の話から先にしましたが、入社までには一般に悪いと思われる話もしっかりとしました。残業が鬼のようにあるとか(昔の話です)、言い出しっぺがやるルールなので、手を挙げないと評価されないとか…。
なぜなら相手にもちゃんと会社を選んでほしかったからです。
本人にとって良い点も悪い点も両方知って、他の候補会社ともよく比較して納得した上で最終面接を受けてもらいたい。でなければ、結局は入社後すぐに辞めてしまうことになります。それではお互い時間がもったいないと思いませんか?
当時は自社の良い面ばかりを並べて誘惑し、一方的に選ぶというスタンスの会社がほとんどだったように思います。それがどれくらい影響したかは分かりませんが、気が付くと新卒で入社した約3人に1人がわずか3年で辞めてしまう事態になっていました。
時代は変わり、リテンション(人材の維持・確保)への意識も高まってきました。大手を中心に選び、選ばれる“対等な関係”を重視した採用活動をする企業が増えています。が、私が中小企業向けの採用セミナーで講師を務めて耳にするのは、「中小は選ばれるどころか、応募者がいなくて選べもしない」という声です。
私は「それはみなさんの会社の魅力を十分に表現して伝えきれていないだけですよ」とお話しします。今の会社が好きな人はいるでしょう。彼らは他に選択肢があってもあえて今の会社を選んでいるのです。本人は普段あまり意識していませんが、そこに他社にない魅力が隠れているはずです。それを明確で分かりやすいメッセージにしてSNSをはじめ、あらゆる手段で発信すればいい。
すると、中小企業だから、不人気業種だからなどに関係なく、100人に1人、1000人に1人かもしれませんが、好きで選んでくれる人が見つかります。
日本人の就業者は人口の約半分います。1000人に1人でどれくらい集まるかは計算してみてください。選ばれた中から、お互いがハッピーになれるよう会社側も選べばいいのです。
5 会社と社員が互いに貢献し合う関係が、「新時代の愛社精神」を生む
「会社と社員のGIVE and TAKEの“対等な関係”」とは、必ずしも待遇条件ありきの割り切った関係を言っているのではありません。
プロスポーツ選手は「このチームの理念や戦術が合っているから」「このチームに世話になったから」「このチームの仲間が好きだから」「監督が好きだから」「地域に愛されているこのチームが好きだから」といった、待遇条件以外の理由でチームを“選ぶ”ことがあると聞きます。
プロスポーツ選手の場合は、待遇条件=評価という考え方も浸透していますし、条件も破格で、その差が大きければ他に理由があろうと待遇条件が前提となることも否めませんが、会社員の場合はどうでしょう。ヘッドハンティングでもなければ、待遇条件に破格といえるほどの差はないはずです。
一般会社員の場合、プロスポーツ選手以上に、会社選びの理由に待遇条件以外を挙げる人は多そうです。「会社の理念や社風が合っているから」「長年世話になってきたから」「仲間が好きだから」「社長や上司が好きだから」「地元に愛されているこの会社が好きだから」
リクルートワークス研究所の特任研究員、豊田義博氏の著書「戦略的『愛社精神』のススメ」(2009年4月 プレジデント社)には、「愛社精神」には3種類あると書かれています。
1つ目が「奉社精神」。終身雇用制や年功序列の中で培われた、「会社が生活や生涯の面倒を見てくれるから、それに対して奉公してお返ししなければ」という気持ちです。2つ目は大手企業や人気企業に多い「恋社精神」。憧れの会社に所属する喜び、ブランド意識といえるでしょうか。
最後の3つ目は、いわゆる「愛社精神」。大本の「愛社精神」と区別するために、私は「新時代の愛社精神」と呼ぶことにします。
それは、会社が仕事を通して社員に働きやすい環境とともに、成長や自己実現の機会を用意(GIVE)する。片や社員はそのことに感謝して、会社やその先の顧客や社会のために一生懸命に(GIVE)働く。
会社と社員が目的の実現に向かって互いに貢献し合う関係から、結果として「新時代の愛社精神」は生まれるのだと思います。
あなたは今の会社を好きですか。先ほどの2つ目の「恋社精神」に当たる好きな気持ちは、大手企業や人気企業では今後も生き続けるのでしょう。一方で、日本社会を支えてきた1つ目の「奉社精神」は近い将来には影を潜め、3つ目の「新時代の愛社精神」が注目されることになるでしょう。
ちなみに「新時代の愛社精神」は会社にとっても大きなメリットをもたらします。1つには、必ずしも規模や待遇条件だけに縛られずに、優秀な人材をつなぎとめることが可能になること。また会社が永続していくためにも、会社が好きな社員は欠かせません。
何十年と会社を続けていると、経営の苦しくなる時期が必ず何度かあるからです。
会社のことが好きでない社員や、待遇条件だけでつながっていた社員は、業績が落ちて待遇が下がればすぐに去っていくでしょう。けれど会社が好きな社員は、会社が苦しいときに「今こそみんなで頑張りましょう」と言ってくれます。東日本大震災では、社屋や工場から全てを失いながらも、会社が好きな社員が支えてくれて復活できたところも多かったと聞きます。
会社が好きな社員が多ければ、コンプライアンスの上でも間違いがありません。好きな相手と自分自身は一体化していきます。すると会社が世間に対して後ろめたい状態になれば、許せなくなるのです。意図せず不祥事が発生した際も隠蔽せず、もう一度やり直す道を選択することでしょう。
ある企業の労働組合の委員長にお会いした際、私が「会社とはやはり対立関係を保ちながら厳しい条件交渉をするのですか」と質問すると、こんな答えが返ってきました。「交渉はしますが、会社の経営陣が社員の声をよく聞いてくれて、頑張っていればこちらから言わなくても期待以上の提案をしてくれたりするんですよ」
彼をはじめ組合の幹部の誰もが「実は会社が大好きなんですよ」とおっしゃっていました。会社が社員たちが気持ちよく働ける環境を用意して、頑張りにも応えてくれる、だから苦しいときでも頑張れると。
互いに独立していながら、貢献し合う運命共同体のような関係—それは会社にとっても、社員にとってもハッピーな関係と言えるのではないでしょうか。
6 今の会社とずっと良い付き合いをするのも1つの人生
あなたが今の会社を好きなら、今の会社と最後まで良い付き合いをしていくのも1つの人生だと思います。
転職するのが当たり前の時代になってきたから、1社に骨を埋めるのはちょっとかっこ悪いなどと考える必要は全くありません。
大事なことは、自分も会社も互いに選び続けているのだと意識すること、相手の期待に対して貢献し合える関係でいることです。
そのためには、繰り返し申し上げますが、自分自身の価値=能力や実績、将来性を常に意識して高めていかなければなりません。
従来この国の企業組織では、総合職の場合、主任、係長、課長、部長、役員とピラミッド組織の階段を上っていくことを求められてきました。新卒一斉入社で同期と出世レースを競い合い、階段を上る時期で勝ち負けを味わわされてきたのです。
「さんくん交代」という言葉をご存じでしょうか。「さん」と「君」の立場が逆転して、いわゆる年下上司、年上部下の関係になることです。まだまだ年次による先輩後輩の関係を重んじるこの国では、「さんくん交代」を屈辱的に感じて、やる気を失う人も少なくないようです。
一方で、専門職などの人事の複線化が進み、例えば部長よりもAIなどの先端技術者のほうがより稼ぐ時代に変わりつつあります。ヒエラルキー(階層構造)を廃して組織をよりフラット化し、「全員さん付け」で互いの年齢や入社年次を意識しない文化を持った新興企業も生まれつつあります。
年齢による上下関係を意識する文化は残るにしても、役職は単に仕事上の役割の違いであって、年齢や年次に関係なく互いをリスペクトし合う関係が徐々に浸透していくことでしょう。となれば、組織の階段や同期との横並びを気にする必要もなくなります。残るのは会社と自分が互いの期待に貢献し合えているかという1点です。
待遇は仕事内容、ポジションや成果で年齢に関係なく上下するでしょうが、互いが納得して貢献し合えていれば、好きな今の会社とずっと良い付き合いを続けることができるようになるでしょう。
長く働いていると、隣の芝生が青く見えることがあるかもしれません。あるいは自分にはもっとやりたいことがあるのではないかと迷うことだってあるでしょう。
どうしても大海に出てみたくなったら、一度今の会社を離れてみるのもいいでしょう。距離を置くことで改めて良さに気付ける場合もあります。
その昔、一度会社を去った者を“裏切り者”として切り捨てる時代がありましたが、昨今、再雇用制度を設ける会社が増えてきました。他社を知るからこそ、この会社の良いところと改善するべきところが見えて、的確なアドバイスとともに、自社にないノウハウをもたらしてくれると歓迎しているのです。
「新時代の愛社精神」でつながっていれば、勤めている会社はずっと好きであって嫌いにならないし、会社に対する感謝の気持ちも消えません。
10年以上前にディズニーリゾートでアルバイト(同社ではキャストと呼びます)をしていた何人かにインタビューをしたことがあります。ディズニーがいかに裏で努力して夢の世界を実現しているかについて私が質問するのですが、彼らは一様に「あなたの夢を壊したくないから」とあまり話してくれません。「私はあの会社で働くことの喜びを教えてもらったから、裏切りたくないのです」と。
正社員と比べたら愛社精神をそこまで期待できないはずのアルバイトの人に、こんな言葉を言わせてしまう。改めて同社のすばらしさを思い知らされました。
アルムナイについては以前私のコラムで詳しくお話ししたことがありますが、ご存じでしょうか。アルムナイ(alumni)は本来「卒業生、同窓生、校友」を意味する言葉ですが、ビジネスでは自社の離職者やOB・OGを指します。
人生100年時代を働く選択肢の1つとして、アルムナイとして以前勤めた会社を応援していくのもいいでしょう。
会社側も長年貢献してくれたことへの感謝とともに、強力な応援団として期待してくれるはずです。
ちょっとした仕事を引き受けることもあるでしょうし、人脈を紹介してほしい、知見が欲しいといった相談もあるかもしれません。あなたが好きな会社と死ぬまでずっと付き合っていくというのも1つの人生だと思います。
さて、次回は“今の会社以外で働く選択肢”について、このシリーズでお話ししてきたことをまとめてみたいと思います。
<ご質問を承ります>
最後まで読んでいただきありがとうございます。ご質問や疑問点などあれば以下までメールください。※個別のお問合せもこちらまで
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以上(2020年6月作成)
(著作 ブライトサイド株式会社 代表取締役社長 武田斉紀)
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【著者紹介】武田 斉紀[たけだ よしのり]
1986年東京大学卒、(株)リクルート入社。人事部を経て、採用・組織コンサルティング、ブランドコンサルティング、マーケティングの新規事業立上げ等に携わる。多くの企業を支援する中で、「経営の中心に明確な理念を置いて共有浸透できている企業は、社員が生き生きと働き、顧客や社会に支持され、永続的に発展成長していく力を持っている」との確信を得て、2003年に企業理念の共有浸透を専門とする現在のコンサルティング会社を設立し、大手から中堅中小までビジョナリー経営実現の支援を行っている。TCC(東京コピーライターズクラブ)他会員。
ブライトサイドコーポレーション(ブライトサイド(株))
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著書は『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(PHP研究所)、『行きたくなる会社のつくり方』
『ブレないリーダー』(Nanaブックス)、『社長のアツイ言葉』(中経出版)ほか、スポーツ分野でも『世界一「なでしこ」の突破術』(双葉社)を上梓。また日経ビジネスのONLINE版での執筆や金融機関向け情報サービスへの寄稿など。全国での講演実績も多数。