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じゃらんの魅力度ランキング1位に…香川、人気観光地に躍
進の背景
2025.09.22
瀬戸内の景色・芸術祭で注目
香川県の観光地としての注目度が高まっている。リクルートの「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2025」で、香川県が都道府県魅力度ランキングで総合満足度1位となった。25年は3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭2025」の開催年となっており、新規のホテル開業やリニューアルなども相次ぐ。(高屋優理)
香川県は瀬戸内海を臨む風光明媚(めいび)な土地柄で、インバウンド(訪日外国人)の認知度も高まりつつある。3月にリニューアルオープンした休暇村讃岐五色台(香川県坂出市)は、客室を和室から和洋室に改修。新たに露天風呂付大浴場や瀬戸内海を一望できるテラスを新設した。
従来は和室が多かったため、修学旅行や企業研修など団体の宿泊者が多く、インバウンドは数%にとどまっていた。石橋正浩総支配人は「施設を大幅にリニューアルすることで若年層の取り込みを図るほか、SNSなどを活用し、幅広い層にアピールしていきたい」と意気込む。
高松市周辺では2月に「香川県立アリーナ(あなぶきアリーナ香川)」がオープンし、ライブやイベントが連日開催されるなど県外からの集客につながっている。また、8月まで瀬戸内国際芸術祭の夏会期が開催され、10―11月には秋会期も開催。瀬戸内国際芸術祭は瀬戸内の島々にアート作品を展示しており、周遊しながら鑑賞する。期間中は国内外から多くのアートファンが訪れる。
27年には「マンダリンオリエンタル」ブランドのホテルが、高松市内と離島の直島にそれぞれ開業する予定だ。高松市内は13階建てのシティホテル、直島は古民家を改築したホテルを展開。街と離島を周遊し、瀬戸内を満喫できる仕掛けを施す。運営する香港の「マンダリンオリエンタルホテルグループ」にとって、香川が国内2カ所目となる。
「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2025」では、香川県は前回調査のトップ10圏外から大きく躍進し、総合満足度1位となった。同調査は全国1万5586人の宿泊旅行者を対象に実施。香川県はうどんなどの名物のほか、旅行にかかる交通費や宿泊費などの平均費用が安いことが、満足度が高い理由となっている。大人1人当たりの全国平均の旅費が6万4100円なのに対し、香川県の平均旅費は5万1400円で、1万2700円安い。
香川県は瀬戸内海の景色はもちろん、他地域より安く観光できることが魅力で、宿泊施設の整備も進んでいる。観光地として成長する可能性が高まっている。
日刊工業新聞 2025年09月08日
出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社