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売上高10億円未満に焦点…中小の人手不足対策、企業庁が
指針改定

2026.03.25


 経済産業省・中小企業庁は、中小企業の人材不足への対応策をまとめた「人材活用ガイドライン」を早ければ3月中にも改定する。構造的な人手不足が進む中、中小企業は大企業に比べて人手不足感が強い。新たな指針では、売上高10億円未満で成長意欲の高い企業に焦点を当て、経営者の右腕となる中核人材の育成や業務効率化などの取り組みを促す。経営者が人材マネジメントに関する考えを社内外に宣言する制度の創設も検討する。

中小企業の人手不足への対策

 事業規模の小さい企業は人材採用に投じる予算やノウハウが不足し、人事担当者もいないことが多い。特に成長を目指す企業では人手不足が成長のボトルネックになり得る。経営効率化やデジタル活用による省人化の余地も大きい。そこで地域経済で重要な役割を担う企業など、成長を目指す売上高10億円未満の企業を対象に指針を見直す。中小企業庁が設置した有識者研究会で見直しに向けた議論を進める。

 企業の経営課題は事業規模により変化し、必要な人材や育成方法も異なる。人材に対して経営者が持つべき価値観を示した上で、企業を売上高1億―10億円、売上高1000万―1億円の2つに分け、それぞれの人材課題と対策を検討する。

 売上高1億円以上の企業では、経営者が自社の目指す姿を宣言し、実現に向けた人材確保や育成の取り組みを社内外に公表する制度の創設を視野に入れる。売上高1億円未満の企業は業務効率化が十分でない場合も多い。人材確保や育成に加え、生成AI(人工知能)導入などの業務効率化の必要性を訴える。

 このほか、事業規模が小さい企業は法定労働時間を超えて時間外労働や休日出勤をする場合に労使が結ぶ「36協定」を締結していない割合が高い。厚生労働省など関係省庁と連携し、商工会議所や「よろず支援拠点」などの支援機関を通じて経営者向けに36協定を含む労働法制の周知や相談対応を行うことも検討する。

日刊工業新聞 2026年2月13日

出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社