ニュース

熱中症商戦に熱気…中小も続々参入、「冷却シェルター」独
自技術生かす

2026.06.22


 本格的な猛暑の季節到来を前に、企業の熱中症対策に向けた商戦が早くも熱気を帯びてきた。2025年に労働安全衛生規則が改正され、事業者の熱中症対策が義務化されたことも追い風となり、中堅・中小企業でも工場や倉庫で使用する冷却シェルターに参入する企業や、すでに販売し売り上げが好調な企業が相次いでいる。各社とも冷却性能や設営の簡便性など独自性を打ち出し、商機獲得にしのぎを削っている。(大阪・河合聡子)

 屋外ユニットや防災用品などを製造・販売するハマネツ(浜松市中央区、河藤一博社長)は、暑熱や防寒対策向けシェルター「telala」を開発し、4月に発売した。

 小野田貴光参事は「屋外ユニットのノウハウを生かして、フレキシブルに移動や設置ができるようにした」と自社の強みを説明する。天井部にはクレーン車で持ち上げられるように吊り具を付け、足元にはキャスターを搭載。2人で容易に移動できるため、使用時は工場の軒先に設置し、終業後は工場内に収納するといった移設が可能という。前面に大型の窓を設置し、休憩中も外の様子を見られる。室内は4―5人が同時に利用できる広さで、熱中症で作業員が倒れても、横になって休ませられる。

 三共空調(大阪府四條畷市、辻中敏社長)は、クリーンルーム用エアシャワーの技術を応用した「取るねつ」を開発。5月から受注を始めた。エアコンで冷却した風を22個のジェットノズルから毎秒30メートルで噴き出し、衣服の中にこもった蓄熱や体表面の熱を放出させる。24年にグループ会社の三和建設(大阪市淀川区)から相談を受けたのが開発のきっかけで、何度もテスト検証を繰り返した末に完成した。辻中社長は「たった3分で一気に冷えるため、生き返った心地になる。外気温の影響を受けないので炎天下の建設現場や、熱がこもる工場などで利用してもらいたい」と自信をのぞかせる。

 一方、金属加工を手がける日創プロニティ(福岡市南区、大里和生社長)は、不燃断熱パネルを使用した「COOL BASE」を3年前から販売しているが、25年の熱中症対策義務化で急速に売り上げを伸ばした。

日創プロニティの「COOL BASE」は約150台の販売実績を持つ(右)シフトアップの「ユニコンCOOL」は軽量でコンパクトな点が特徴(左)

 累計販売台数は約150台。スポットクーラーと組み合わせて使用でき、1―2人用だと消費税抜きの価格が約50万円と、導入費用を抑えられる点をアピールしている。

 また、展示会ブースなどを製作するシフトアップ(東京都中央区、山田稔社長)は、移動式冷却室「ユニコンCOOL」を25年7月に発売し、25年の夏だけで約50台を売り上げた。解体するとワンボックスカーで運搬できるのが特徴で、山田社長は「とにかくコンパクト設計にこだわった」と話す。小型の「タイプS」だと重量は85キログラムと軽量。工具なしで組み立てられるため、高層マンションの建設現場では高層階に持ち運んで設置し、使用後は解体して次の階へ運ぶという使い方もできる。建設現場のほか工場や倉庫、プラント施設や農作業現場などさまざまな場で利用されている。

日刊工業新聞 2026年5月22日

出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社