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自動車業界で鍛え抜かれた工場が挑む新領域「ホットサンド
メーカー」

2023.10.24


 真っ赤に熱せられた鉄の塊めがけ、金型がハンマーのように勢いよく落とされる。火花を散らしながら叩かれるうち、だんだんと部品の形に変化していく―。この「熱間鍛造」という工法を得意とするのが、エンジン・変速機などの部品製造を行う旭鉄工。トヨタ自動車との関係が80年以上続く1次サプライヤーとしても有名だ。熱間鍛造の他にもダイカスト、切削、溶接、組付など多様な工程を持ち、幅広い加工に対応する。

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 【挑戦を継続する】
 同社の強みは加工だけでなく、「挑戦を継続する力」にある。生産改善活動、消費電力量削減、カーボンニュートラルなど数多くの取り組みをハイレベルな状態で継続してきた。
 生産改善活動を長年継続するほか、独自のIoTモニタリングシステム「iXacs(アイザックス)」を自社開発し、生産設備の稼働状況を可視化することで、改善活動に活用。労務費を年間約4 億円削減した。また工場内の消費電力量削減活動も同時に取り組んでいる。2022年には2013年比26%削減を達成した。2023年にはChatGPTを導入し、改善事例を検索しやすくする取り組みも実施した。

 【自社ブランドに活きる技術力】
 その挑戦の中で、少し異質とも思えるのが自社ブランド製品の開発と販売だ。現在、チタン製のまな板「SIKI(シキ)TITANIUM CUTTING BOARD」、マッシャーやすりこぎなどの多機能用途で使えるステンレス製の調理器具「ウチグ」、鉄製ホットサンドメーカー「FOG(フォグ)Iron Cooker(以下、FOG)」などをラインアップ。いずれも同社の技術が製品の特長に活きている。

ホットサンドメーカーだけでなく、鍋、グリル、オー ブンなどさまざまな調理器具として利用できる

 例えば、FOGは同社が長年培ってきた鉄の熱間鍛造を用いているが、肉厚で深鍋の形状はこれまで鍛造したことがなかった。「2~3回くらいのトライ&エラーで成形できると思っていたが、今までの経験をもとに何度鍛造してもうまくいかなかった」と製品開発を担当する生田厚史氏は振り返る。原因究明のために鍛造シミュレーションを行った後、金型から作り直した。結果的に、今までにない金型の形状を作り完成させた。
 この経験はBtoBの部品製造に活き、FOG同様に深さのある形状の依頼に応えられるようになった。粘り強い改善活動と、自社内で多様な工程を持つ点が活きたといえるだろう。

改善により形状を完成させた

 また、こうした製品開発は新技術への挑戦という側面もある。従来、チタン鍛造、ステンレス鍛造は同社では行っていなかったが、自社製品開発で技術を確立した上で、本業であるBtoB向けの製造にも横展開。自社製品は技術の広告塔にもなっている。

商品情報

シリーズ名:オリジナルブランド「ASAHI」
商品名:FOG Iron Cooker
用途:鉄鍛造製ホットサンドメーカー
サイズ(mm):本体:W165×D200×H75mm
価格(税込):52,800円
販売サイト:https://asahi-tekko.shop-pro.jp/

企業紹介

旭鉄工(株) ASAHI TEKKO CO.,LTD.
所在:〒447-8505 愛知県碧南市中山町7-26
従業員数:422人(2021年度)
事業内容:自動車部品製造(鍛造、ダイカスト、切削、溶接、熱処理、組付技術)

FACTORY’S GOODs 詳細情報

ポップアップショップ @銀座 蔦屋書店
会期:2023年 11月3日(金・祝)〜4日(土)12:00~20:00(最終日は19:00)
会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM (東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 6F)
https://store.tsite.jp/ginza/
入場登録:不要
入場料:無料

店頭タイアップによるフェア @銀座 蔦屋書店
会期:2023年10月21日(土)~11月5日(日) 10:30~21:00
会場:銀座 蔦屋書店 (東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F)EATALY側展示台
https://store.tsite.jp/ginza/

技術展示&ポップアップショップ @東京ビッグサイト
会期:2023年 11月29日(水)〜12月1日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西2ホール (G-01)(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要(詳細は https://autumnfair.nikkan.co.jp/参照)
入場料:1,000円(入場登録者、招待状持参者、中学生以下無料)

特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/

展示会スポンサー

株式会社ソディック

株式会社青山財産ネットワークス

日進工具株式会社

牧野フライス精機株式会社

碌々スマートテクノロジー株式会社

一般社団法人日本工作機械工業会

株式会社アマダ

モノづくり日本会議

ニュースイッチオリジナル

執筆者

日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。