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金型の無償保管が後を絶たない…昨年度の下請法違反勧告、
平成以降で最多

2026.06.22


 公正取引委員会は10日、2025年度の下請法(現中小受託取引適正化法)違反に伴う勧告が、前年度比85・7%増の39件に上ったと公表した。平成以降で最多となった。サプライヤーに製造を委託している部品の買いたたきや、代金の減額、金型の無償保管などが違反行為に当たると判断した。1月に施行された取適法の運用を通じて、大手企業と中小企業との適正な取引につなげる。

 中小企業庁長官からの措置請求に基づく勧告も9件に上り、平成以降で最多となった。25年度の指導件数が前年度と比べて横ばいの8261件。業種別の勧告・指導件数では製造業が3024件と全体の4割弱を占めた。卸売・小売業と情報通信業が続く。

 違反行為では金型の無償保管が後を絶たない。取適法で禁じる不当な経済上の利益の提供要請に当たる。サプライヤーに部品などを長期間発注していないにもかかわらず、金型などを保管をさせるのはサプライヤーの負担が大きい。勧告を通じて発注者に法令順守を求める。

 公取委は取適法が施行されてから間もないこともあり、サプライチェーン(供給網)全体での適切な価格転嫁の定着は道半ばとみている。大手と中小の取引だけでなく、中小同士の取引を適正化することも必要だ。中東情勢や物価高などの影響で価格転嫁が進まないと、中小の経営が圧迫される恐れがある。取適法の周知を通じて、違反行為の防止につなげる。

日刊工業新聞 2026年06月10日

出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社