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「タイガース」脱炭素〝補強〟…阪神電鉄、再生エネ導入で
ブランド価値高める

2025.02.26


 阪神電気鉄道はプロ野球の阪神タイガースの拠点でカーボンニュートラル(温暖化効果ガス排出量実質ゼロ)への施策を強化する。3月に開業する新たな2軍本拠地で脱炭素を進めるほか、阪神甲子園球場でも実質再生可能エネルギー100%を実現。4月からスタートする鉄道でのカーボンニュートラル運行と合わせ、環境対応によってブランド価値を高める。

 2軍本拠地は現在の阪神鳴尾浜球場(兵庫県西宮市)から、3月に阪神本線大物(だいもつ)駅近くの「ゼロカーボンベースボールパーク」(同尼崎市)に移転する。新拠点では室内練習場や球場のバックスクリーン背面などに太陽電池を設置するとともに、蓄電池も導入。ナイター試合で想定される年間電力使用量の80%強を賄う計算で、不足分は尼崎市のクリーンセンターの廃棄物発電による二酸化炭素(CO2)排出ゼロ電力を活用する。そのほか室内練習場に高性能の断熱材を採用するなど電力使用量も抑える。

 一方、甲子園球場では大和ハウス工業が兵庫県相生市に甲子園専用に建設する太陽光発電所から電力を調達する。同発電所の発電出力は約700キロワットでCO2削減効果は年間約3000トン。2025年度から電力の供給を開始する。コーポレートPPA(電力販売契約)での再生エネ実質100%化はスタジアムは全国初だという。

 阪急阪神ホールディングスは4月から阪急電鉄と阪神電鉄の鉄道事業でも使用するすべての電力を実質的に再生エネ由来に置き換える。これにより年間で約20万トンのCO2排出量削減につなげる。地域と一体となった脱炭素にも取り組んでいく。

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日刊工業新聞 2025年02月03日