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資金繰り計画策定2割にとどまる、中小企業に問われる経営
者自身の能力

2026.07.24


金融機関などの支援必要

 中小企業が成長に向けた大胆な投資や新分野などに挑戦する際には、経営者自身の能力が問われる。経済産業省・中小企業庁は「2026年版中小企業白書・小規模企業白書」で、経営者が財務・会計など経営の基礎知識である「経営リテラシー」を身に付ける重要性を強調した。特に小規模事業者は資金繰り計画や経営計画の策定率が2割程度にとどまり、さらなる取り組みが求められる。また、不足する経営資源を補うための企業間連携のあり方も示した。

 白書では、経営者に必要な経営リテラシーとして、財務・会計、組織・人材、運営管理、経営戦略の四つに分類した。小規模事業者は十分な資金余力がない場合も多い。特に財務・会計のリテラシーを高め、自社の採算性や資金繰りの状況を把握し、経営改善につなげることが重要だ。

 白書によると、小規模事業者の9割が原価管理を実施し、5割弱は製品ごとに原価を把握できていることが分かった。また、製品ごとに原価を把握する事業者は7割強が一定の価格転嫁ができたと回答した。一方、ほとんど原価を把握できていない事業者は4割強が全く価格転嫁できなかった。経営改善に向けた価格転嫁には、原価把握が重要であることをあらためて示した。

 経営リテラシー向上には、支援機関による支援も求められる。中小企業庁の岡田直也調査室室長は「日常の業務だけでは中長期的な経営課題への危機意識が生まれにくい」と説明。「日頃から事業者と接点のある金融機関や税理士などが(企業に積極的に働きかける)プッシュ型で経営支援を行うことが必要だ」とした。

 他方、資金や人材などが不足しがちな小規模事業者にとって、不足する経営資源を外部から取り込むことも有効だ。白書によると、小規模事業者の2割が企業間連携に取り組んでいると回答。取り組んでいない事業者と比べて売上高が増加している割合が約10ポイント高く、企業間連携が収益拡大に効果的であることが分かった。

 連携する取り組みとしては、技術・知識・経験などの共有が4割強で最も多く、製品の共同開発、販売促進・広告活動の共同実施が約3割だった。連携手法としては特定の目的、テーマごとの連携を指す「協業・プロジェクト型」が5割弱と最多で、契約や覚書を交わす「契約型」は2割だった。

 人手不足が進む中、互いの強みを生かした競争力向上、仕入れや物流の共同化による効率化やコスト削減などの必要性はより一層高まる。目的に合わせた異業種や同業種間の連携により、事業の維持発展につなげることが求められる。

日刊工業新聞 2026年06月23日

出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社