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「発想は自社だけで完結するものではない」…ヤマハ発動機
工場へのアンケートから実現、自動運転EVの用途とは?

2025.12.25


 eve autonomy(イヴ・オートノミー、静岡県磐田市、星野亮介社長)は、自動運転の電気自動車(EV)による搬送サービス「イヴ・オート」の機能拡充を図っている。9月には同サービス用周辺機器に、新ブランド「イヴ・オートプラス」を設定した。並行して進めているのが、イブ・オートの機能性が生きる搬送領域以外の用途開拓だ。

 イヴ・オートはヤマハ発動機製EVとティアフォー(東京都品川区)の自動運転ソフトウエアを組み合わせたサービス。使用するEVはヤマハ発のゴルフカーをベースにした車両。最大1・5トンのけん引能力で搬送業務を自動化する。

 主には工場内のワーク(加工物)搬送での物流業務でサービスとしてのイヴ・オートの強みは生きる。ただEVはけん引時以外に稼働していない。そこで「けん引なしでもっとEVを使うアイデアを探る」(星野社長)ため、ヤマハ発の協力で実証実験を行った。

 自動車や船外機用エンジン部品を製造するヤマハ発動機の磐田南工場(静岡県磐田市)では、工場敷地内の複数棟でトラックが周回して文書を集配送するメール便業務がある。実証実験では集配送にイヴ・オート用のEVを用いた。

 スタートしたEVが建屋に近づくと、EVからの信号で屋内に設置した回転灯が点灯し、到着を知らせる。ここでは連携する周辺機器を拡充したノウハウが生きている。EVに設置したキャビネットから文書を取り出し、発送する文書を収納。その後は発進スイッチを押すとEVが次の目的地に動き出す。

 メール便にEVを活用する案は磐田南工場へのアンケートから実現した。導入先での生産品のサンプル提出のための搬送に活用している事例もヒントになった。周辺機器も現場からの要望を受けて設定する流れが多い。周辺機器の拡充も、EVの用途開拓も「発想は自社だけで完結するものではない」(同)。イブ・オートの発展は、外部との対話がカギを握りそうだ。

日刊工業新聞 2025年12月01日

出典:ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社